定時制・通信制の大会だからこそドラマがある。
興味があったけど踏み出せなかったスポーツに、初めて挑戦できた。しばらく離れていたスポーツに、編入してあらためて楽しむことができた。など、定時制通信制の部活動、大会だからこその、他では味わえないドラマと感動があります。
今回は福岡発!名物先生のインタビューをお届けします。
星槎教師列伝 Vol.2
星槎国際高等学校 福岡東学習センター
坂本 鉄兵 先生
選手で甲子園 監督で全国大会
坂本は甲子園出場10回の名門校野球部出身。高校生活の3年間を寮で過ごした。同室だった先輩は、今もプロで活躍している。
厳しい練習環境で野球をしてきた坂本だが、監督として、自分が経験したものと同じ厳しさを選手に求めることはない。2016年8月の定通全国大会(平成28年度全国高等学校定時制通信制体育大会)では緊張する生徒のために、リラックスした自分を見せた。
小学生・中学生の坂本
もともと、地肩が強かった。小学2年生の時のドッジボールクラブで投げ方を誉められた。6年生の体育の遠投では、他の児童が50m ~60m 投げる中、坂本は100m 投げることができた。それで中学校からフレッシュリーグのチームに入った。もちろん投手だった。中学校時代は九州大会優勝、九州選抜メンバーとなる等の実績を残す。速球には自信があった。
高校時代の紆余曲折
高校に入った途端、上には上がおり、それまでの自信は崩れた。そこで、坂本はコントロールと投球の組み立てで勝負することにした。1年生の秋、明治神宮野球大会に出場し、優勝。決勝では愛工大名電と対戦し、坂本も投げた。翌春は春の甲子園(選抜高等学校野球大会)に出場。2年生ながらベンチに入った。
星槎の「坂本先生」の素顔
今、坂本は指導者として野球に関わっている。福岡中央の軟式野球部は3年連続で定通全国大会に出場している。選手との関わり方について、「フレッシュリーグの監督の方に自分は影響を受けている」と話す。
良いところを見つめ、引き出す
選手の良いところを引き出す指導を目指す。そして、技術以上に自己犠牲や相手を想うチームワークといった心を導くことに力を入れる。「福岡中央のチームには伝統がないことが伝統です」と言う。毎年毎年、メンバーが入れ替わる選手にあわせた指導をする。
チームカラーや伝統は選手に押し付けるのではなく、選手が自身を見つめ、自主的に選びとるものだと考えているからだ。