「逆境を喜ぶ」、そんなしぶとい生徒を育てたい!
個性を認め、成功体験の場面をふんだんに作り、生徒の自信をどんどん高めていく「環境づくりのプロ」、星槎の先生は、どのような生い立ちで育っていきたのか、非常に興味があります。今回は、「円盤投げ」。星槎の名物先生にお話を伺ってみました。
星槎教師列伝 Vol.5 「逆境を喜ぶ」
星槎高尾キャンパス キャンパス長 平澤 晶子 教諭
「逆境」なのに「ワクワク」の理由
多くの人は逆境を迎えたときに心が折れて、途中で挫折してしまったり、自信をなくしてしまうだろう。しかし、ポジティブシンキングの人は違う。逆境に燃え上がったり、ワクワクしたりする。今回、平澤に話を聞いたとき、私は前向きに考えることの大切さを学び、勇気をもらった。
音楽の先生のはずが・・・
平澤に転機が訪れたのは高校1年生の夏だった。幼少期からピアノを習っており、音楽の先生になることを夢見ていた。高校生になると吹奏楽部に入部した。サックスを担当していた。ところが、陸上部の顧問だった担任の先生の目に留まり、先生が平澤に内緒で吹奏楽部へ退部届を提出。音楽少女から一転して、走ることが嫌いな陸上部員になったのだ。
アテネ五輪の強化選手へ
平澤の種目は円盤投げだった。「スポーツの中でも個人種目なので自分の努力で記録が伸びていくのが楽しかった。思うような結果が出ず、泣いたこともあるがすぐに切り替えて練習した」と話す。
2・3年生の時にはインターハイに出場した。大学でも円盤投げを続け、4年生の時に出場した日本選手権では3位に入り、全日本学生選手権では優勝(大学日本一)。アテネオリンピックの強化選手に選ばれた。「円盤投げをしていて良かったことは色々な人に出会えたこと。そして何より家族が協力してくれたことが嬉しかった」と話す。
大学を卒業すると仕事の傍ら、市民楽団に入り、再び音楽の道に。そして星槎へ。「もしかしたら自分にはもっと向いているスポーツや隠れた才能があるのではないか?と思っている」と笑った。
「もしかしたら」を否定しない。
平澤は何回も「もしかしたら・・・」という言葉を使った。このような仮説に対して「そんなことあるわけない」は通じない。仮説に対して否定はできない。何事も前向きにまずはチャレンジすること。「何かを達成する喜びを感じて欲しい」と今日も生徒と向き合っている。