「教わるし、教える」。指導者になるために現役を続ける名物先生
偏差値も大事だけど、「変化値」はもっと大事。星槎国際高校の「先生らしくない高校の先生」が語る、スポーツにまつわるコラムをお届けします。
星槎教師列伝 Vol.7
指導者となるために、現役でプレーをし続ける。
池田 裕一 副センター長(星槎国際広島)
「ぎりぎりまで現役でいたい」
温厚な人柄をよく表している声で池田は、「できる限り、ぎりぎりまで現役でいたい」と言う。教わる時の気持ちを持ち続けることが、指導者となった時に役立つと考えているからだ。
「キャプテン翼」がきっかけ
サッカーは5歳の時に始めた。TVで見た『キャプテン翼』の再放送を見たことがきっかけだ。それからはサッカー一筋。そんな池田のサッカー観に大きな影響を与えていることが3つある。池田は、サッカー観の基礎的な部分は、中学時代に培われたと言う。それほど中学時代の指導者に育まれた。これが1つ目だ。サッカーの技術はもちろん、プレーを離れた部分での人間性を大切にする指導を受けた。
キャプテンとはなにか
大学に進学し、4年時にはキャプテンとなり、東京都大学サッカー連盟1部昇格を果たす。昇格という目標を背負い、他を統率する役割を担うこととなった。「今思い返すとそれほどでもないが、その当時はつらかった」と言う。試合に出ていない時でもベンチからピッチの選手たちに指示を出す。言いづらいことも敢えて言わなくてはいけない。その中で、キャプテンシーを学んだことが2つ目だ。最後は、大学院に進学後、コーチとして大学のサッカー部の後輩たちと接する中で、選手たちが、大学までの各年代で何を学ばなくてはならないのか、ということに気づかされたことだ。
「現役」を突き詰め続ける
池田は現在、広島学習センターの同僚・倉本秀昭教諭と共に、中国リーグの「廿日市FC」でプレーしている。元日本代表の久保竜彦選手がプレーしていたので知られるチームだ。シーズン中は週5日の練習をこなす。平日は、勤務終了後の練習。広島学習センターのサッカー部の指導についてたずねると、「まずは、サッカーを楽しく、好きになってもらいたい。また、その中で、成功体験を積んでもらいたい」と答えた。現役でのプレーを突き詰めた後、指導者となった池田の姿を楽しみにしたい。(文中敬称略)