人との関わり合いが必要なのは、人生と同じ。
偏差値も大事だけど、「変化値」はもっと大事。星槎国際高校の「先生らしくない高校の先生」が語る、スポーツにまつわるコラムをお届けします。
星槎教師列伝 Vol.21
人と人との関わり合いが今の自分につながっている
稲毛 春佳 副センター長(星槎国際立川)
イヤイヤから好きへ
バレーボールを始めたのは小学5年生の時。幼い頃からピアノを習っていたが、じっと座っていられなかったので全く好きになれず、嫌々通っていたのを見かねた両親が勧めてくれた。元々、父が高校時代までやっていたということもあり、常に教えてくれる身近なコーチがいるようで、すぐ好きになれた。
中学時代・高校時代とバレーボール部に所属。高校2年の冬の春季大会で前十字靭帯を損傷し、その試合でチーム自体が棄権扱いになってしまった。あの時はその試合自体が棄権にならないようにコートに立っているだけでやっとだった。試合後、父の背中に背おられて病院に行ったことを今でも鮮明に覚えている。
チームとして戦うことの楽しさを知った大学時代
そして大学時代、バレーボールのサークルに所属してから本当にバレーボールを好きになった。今まではレギュラー選手として試合に出ることが多かったが、控えでベンチから選手の動きやゲーム展開を見ることで自分の中での視野が広がった。
サークル仲間は地方出身者が多く、色々なフォーメーションやコンビ技などがあり、それぞれの経験を活かしてチームとして戦えたことは、新しいバレーボールの発見でもあった。また、それまでは勝つことを目標にプレーしてきたが、勝ち負けにこだわるだけでなく、行事などに参加してバレーボールの面白さを改めて実感した。
接触スポーツでないからこそコミュニケーションが大事
学生コーチも経験し、その中で人間関係の輪・関わり合いの輪が広がった。教え子とは昨年度、同窓会を行った。それぞれが各々のステージで夢に向かって進んでいる姿を見て、その子たちの人生に関われたことを今では嬉しく思っている。
バレーボールは集団スポーツで、かつネット型競技。バスケットボールやサッカーのように接触するのが相手(敵)ではなく、仲間。そのためより一層、コミュニケーションが必要で、そのコミュニケーションによってはより高度な攻撃ができる。
関わり合いが必要なのは、人生と同じ
試合中はポジティブな声掛けをし、決してけなすようなことは言わないよう心がけ、プレーをつないで全員で攻撃して、全員で守る。一つ一つのプレーがつながった時は、何とも言えない気持ちになる。人生も同じで、人と人との関わり合いが今の自分につながっていると思う。
1964年の東京オリンピックで「東洋の魔女」と称されて、日本のバレーボールは一躍有名になった。2020年の東京オリンピックに向けて、バレーボールが今以上に更なる発展ができるよう、今の子どもたちにバレーボールの楽しさを伝えていきたいと話す。
(星槎スポーツ新聞 vol.21より)